がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

膵臓がんの統計

 2011年12月1日、厚生労働省から発表された人口動態統計年報によると、男女合わせると年間3万人近くの方が膵がんで亡くなられ、がんによる死亡の原因別で膵がんは第5位となっています。年齢別に見た膵がんの罹患率は、60歳ごろから増加して高齢になるほど高くなります。死亡率の年次推移は、男女とも戦後から1980年代後半まで増加し、1990年代以降は横ばい、または漸増傾向にあります。5年生存が約5%、また罹患率と死亡率はほぼ等しく、膵がんが難治性であることが分かります。予後が不良な原因としては早期発見が困難であること、早期に遠隔転移を生じること、抗がん剤治療の成績も良くないことが挙げられます。死亡率の国際比較では、以前は日本の膵がんの死亡率は低いレベルでしたが、1960年代から80年代後半まで増加して、欧米諸国並みになった後、欧米諸国同様、横ばいに転じました。
 膵がんのリスク要因として確立されているのは、喫煙だけです。少量から中程度の飲酒やコーヒーとの関連は、かつては注目されていましたが、今のところ否定的です。食事要因としては、高脂肪食などがリスクを増加させ、また野菜・果物摂取がリスクを低下させる可能性が示されています。その他、糖尿病の罹患や大量飲酒に伴う慢性膵炎によってリスクが上がるという報告がありますが、確かな結論を出すにはさらに研究が必要です。

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