がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

大腸がんとは?

 大腸は、結腸、直腸、肛門の3つに分かれている臓器です。直腸がんと結腸がんをまとめて大腸がんと言い、肛門がんは異なるがんとして分類されています。大腸がんの発症部位で最も多いのが、S状結腸や直腸で、その割合は大腸がん全体の7割以上です。結腸がんは、右足の付け根より上あたりにある右腸骨窩(うちょうこっか)の部分から、骨盤中央の仙骨上端までの部分のがんを指し、直腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸の4つの部位に分かれます。直腸がんは、大腸の仙骨上端から肛門管直上までの部分のがんです。
 大腸がんの発症過程には良性の腺腫ががん化したものと、粘膜から発生してがんになったものの2種類あります。
 ・ 良性の腺腫ががん化したもの
大腸がんのほとんどが、腺腫性の良性ポリープが大きくなってがんに変異したもので、良性ポリープのうちに切除すればがんにならずに治療ができます。ポリープの段階では症状がほとんど無いため、定期的に検診を受けることが大切です。
ポリープは内視鏡で切除が可能なので、健康診断や人間ドックなどを利用して検査を受けましょう。
 ・ 粘膜から発生してがんになったもの
腺腫からではなく正常な粘膜から発生するがんは、平たい形をしているのが特徴です。粘膜の表面にとどまるもの、粘膜の1mm内の浅い部分まで進行しているものがあります。リンパ管や血管にまで侵入が見られない通常のがん細胞なら、内視鏡の切除のみで根治も期待できます。しかし、粘膜から発生したがんは、放置すると大きくなり大腸の壁に深く侵入していきます。そのままがんが広がって腹腔内に散らばってしまうと、リンパ液や血液に乗って流れて行き、他の臓器に転移するリスクが高くなります。

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