がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

前立腺がんとは?

・ 前立腺とその働き
 前立腺は男性のみに存在する臓器で、膀胱の下に位置し、膀胱に溜められた尿を排泄するための通り道である「尿道」を取り囲んでいます。大きさは3~4cmの栗の実くらいで、一部が直腸の壁に接しています。
精液を溜める「精嚢(せいのう)」の隣にあり、射精管と尿道は前立腺の中で結合。精液の一部を作るとされていますが、まだ不明な点も多くあります。
・ 前立腺がんについて
 前立腺がんは、前立腺肥大症と並んで、中高年の男性に起こりやすい病気です。前立腺の機能は、男性ホルモン(アンドロゲン)に影響されています。この男性ホルモンは前立腺がんの進行にも大きく関与していと言われています。
男性では胃がんに次いで2番目に前立腺がんが多いとされており、この20年間で著しく増加傾向にあります。増加の要因の1つは、スクリーニング検査の推奨により、以前よりも発見される数が増えていることもあげられます。
前立腺には内腺(移行域)と外線(辺縁域)があり、がんの多くは外腺から発生。早期がんのうちは無症状ですが、進行するにつれて内腺に浸潤していき、前立腺肥大症を合併することがあります。
 尿道周囲にある内腺が肥大により圧迫されると、排尿障害や血尿があらわれます。さらに進行すると、血液の流れに乗りリンパ節と骨(特に脊柱と骨盤骨)に転移しやすく、痛みや下半身のむくみ・麻痺の症状が出る場合があります。。
・ 前立腺がんの分類
前立腺がんの治療方針を決定する際に、がんの進行度合いや転移の有無を確認します。転移のない前立腺がんに関しては、3つの判断基準において低リスク群、中間リスク群、高リスク群の3つに分類されます。3つの判断基準とは、グリーソンスコア、T-病期、PSA値です。

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